堀ノ内で会いましょう

今週は毎日ピザをつくった。生地をサクサクにする為には耳たぶの柔らかさにしたのち(イーストを溶かした湯の量で調節)、オリーブオイルを大匙1ほど入れるとよろしい。これを1時間ほど寝かせたものは、簡単に整形できる。厚みは2ミリほど、縁は少し厚めに残しておき、具から出た旨味のジュースを逃さない土手の役目を課す。トッピングにはトマト、歯ごたえを楽しめるエリンギ、生ハム(ベーコンでも可)を基本として、好みのものを乗せる。アンチョビや、カレー粉、ブラックオリーブなどを使用しても味にアクセントが付いてよい。チーズはモッツァレラが最も良く、その理由は溶けたときに下の具を蒸し焼きにする効果と、絶妙な溶け具合によってトッピング全体を統一してくれるからである。さて、ここまできたら、220度に熱したオーブンで8分程度焼けば、完成である。


もし、という仮定の話を持ち出して現在の自分の境遇を嘆くことは全く有害なことである。なぜなら、想像と現実とを同一の条件で比較するのはフェアでないからである。想像はいくらでも理想的なものにすることが可能である。そのような夢想に固執することは、現実を推し進める力にならない。この話の教訓は、問題があるならば現実を改善する努力をせよ、ということだ。


その分野の専門家たちで構成される集団になじむ為には、そこで用いられる専門用語や概念に通じることが最も重要であるだろう。まず言葉を覚え、意思疎通を可能にすることから始めるべきである。その作業に手を抜いて形式的に渡り歩くことは非常に危険であるし、得られるものの深さが違ってくる。基礎を知らぬ人は現前する個別の事象にそのつど対処するだけに終わるが、概念を理解していれば、全ては有機的に繋がり、理解が理解を生む正のフィードバックの発生によって、知識は加速的に深化するだろう。我々は深い洞察をする人間になる必要があるのだ。